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人事にインタビュー!海外経験者が初めての転職で押さえたい選考ポイント

更新日:2019.2.28

人事にインタビュー

伊藤建介さん

伊藤建介

大学卒業後、11年間の銀行での国内・海外営業を経て、容器製造販売会社へ転職。12年間の中でMBA取得や長期経営計画の策定、そして自ら海外展開を推し進め、今や利益の約8割を海外売上が占める事業にまで成長。その後釣り具メーカーの海外展開を3年間手がけ、現在の自動車部品専門商社へ。入社後に内資系から外資系となる大変遷を経験し、役員として中途採用の書類審査から最終面接まで行っている。

海外経験者専門の転職エージェント『Beyond Border』。

中途採用で企業が帰国子女や留学経験者、ハーフに求める資質とは何か。多くの海外展開を手がけ、書類審査から最終面接までこなしている伊藤さんに、具体的な選考ポイントなどからたっぷりと教えていただきました。

全ての経験を生かし手がけてきた海外展開

Q.まず、伊藤さんのご経歴を教えてください。

A.大学卒業後に銀行に入ってから11年、最初は国内営業をしていましたが、国際部に異動してからはずっと海外畑でした。

その後転職した容器の会社には12年、うち2年間でMBAを取得後、会社の100周年に向けた10か年の長期経営計画を策定して、その主軸となった新規事業と海外展開を行いました。英語を喋れる人が一人もいない状況からスタートして、海外からの採用や既存社員を国際化するための教育などを実務として行っていましたね。

その後、小さな釣り具ベンチャー企業の海外展開を約3年手がけました。ブランド力があるのに海外へのプライオリティが非常に低く、国内のみの需要予測に基づいて生産し、余った分だけ海外に売るという形をとっていたのですが、着手してみると海外市場の方がはるかに大きくて。自分の経験を全て使って、適正な利益を海外でも生み出していける仕組みを整えました。

その次に転職したのが自動車部品の専門商社で、フランスから潤滑油を仕入れて日本で販売する代理店といったところです。入社当時は日本の中小企業でしたが、前の社長が売却してしまい途中から外資系になった、という経緯が実はあります。その大きな転換の際に役員として登用され、業務規則や個人の採用基準、給与、人事評価基準から財源まで全ての見直しを実施したのですが、一番難しかったのは社員のマインドセットを変えることでしたね。フランス人と日本人との間に立ってというのが結構大変でした。

Q.マインドセットを変えるときに効果的だった方法はありますか?

A.これはいい案と言えるものは正直ないです。ただ、社員の中に何人か「やってみようよ」という人たちが出てくるとポジティブなサイクルに変わっていきます。そういう人たちを中心に据えていくことができたとしたら半分は成功したと言えますね。テクニカルな問題じゃなくてハートの問題なんですよ。そういったときにも自分たちで「できるよ」と言える人たちを採りたいですね。

企業が求めるのはロジカルだけじゃない

Q.採用選考にあたって、応募者のどういう所を見ていますか?

A.その人がどれだけロジカルな人なのか、どれだけクリティカルで、どれだけクリエイティブで、どれだけストラテジックな人なのか、といった所を私なりに見ています。ロジカルな人はできない理由もロジカルなんですよ。新しいことをやろうと言ったときに「できません。なぜならば~だから…」と非常にロジカル。クリエイティブな人は、どうしたらできるのかを考えるんですよね。だからロジカルかつクリエイティブである必要がある。なので、実績・実務のスキルとヒューマンスキルならどちらを見るかと言ったら、私は圧倒的にヒューマンスキルを見ますね。できないことをできるようにする、その壁を超えないことには競争に勝てませんから。どうしたらできるのかと知恵出ししてくれる人がほしいんです。

Q.部門長と役員、それぞれの立場で中途採用の選考をされたことがあるとのことですが、スタンスの違いはありますか?

A.ありますね。部門長の場合は、自分の部門に課題や問題があって採用するわけですから、目先の課題に対してこの人は本当に成果が出せるのだろうかと、即戦力を求めますよね。どちらかと言うと実務スキルを部門長の場合は見ることが多いです。経営陣は、この人は会社に付加価値・競争力を持ち込んでくれるのだろうかというヒューマンスキルを多めに見ます。

段階で言ったら、1次面接などでは実務スキルとヒューマンスキルの両方を浅く見ている感じですが、面接が進むにつれてヒューマンスキルを深く見るようになりますね。

Q.海外経験者の場合に特に見るところはありますか?

A.海外経験のある中途採用希望者には、スペシャリストとゼネラリスト、どちらとして生きていきたいのかをまず問いますね。行けと言われたから行っただけの海外帰りの人ではないか紐解くために、その人が自分の意思を持って将来を決めているのかどうか聞いています。転職する人というのは、20代後半から30代後半としたときに、次のステップで行ける色というのは出てきちゃうんですよね。その自分の色を見つけたうえで転職しているのかどうか見極めています。

単なるフォロワーのような人は多くの事を他責にする傾向があるんですよ。環境が、連携が、マーケットが、上司が、調子が悪かった、等々。なので、自分が主導的に意思決定している人かどうかは非常に重要だと思います。

Q.転職は決まった案件に対する募集なのでスペシャリストの要素が強いと思われますが、どういったマインドを求められているんでしょうか?

A.その会社が内資系なのか外資系なのかで違うと思います。よく例えていうのが、野球とベースボールくらいの違いがあるわけですよ。一般的に聞いたらそれらの違いはないようでも、実は異なるわけです。

野球というのはチームプレーで、ときには犠打やバントなどもしてコツコツ点を入れていきましょうというやり方。一方でベースボールというのは全バッターに4番バッターのように打つことが求められますよね。

人事考課制度をとっても、内資系の場合は部署による業務分掌は決まっていても個人ごとには確定されておらず、すごく稼いだとしても部署としてだめだと相対評価になり、外資系の会社というのは個人ごとに業務分掌やKPIが決まっていて絶対評価になる。ここが決定的に違いますから、自分は野球とベースボールどちらをやりたいですか、ということになりますね。

海外経験者の中途採用選考における具体的ポイント

Q.履歴書・職務経歴書のなかでどのような項目を最も注意深く見られますか?

A.職務要約のところしか見ていないです。いっぱい言いたいことがある中でどれだけ自分の実務スキル・ヒューマンスキルを簡潔にしかも結論から述べられているか。「こうしました、なぜならば~」というのができていないと、この人は頭の中を整理できないな、優先順位をつけられない人だな、ロジカルに考えられたとしても話せない人だなと、要約の3行を見るだけでわかってしまいます。

Q.では面接のときに注意深く見るポイントはどういうところでしょうか?

A.書類審査同様、整理できているか、ちゃんとロジカルに説明できているかどうかですね。箇条書きで話せるか、ブレットポイントと言いますが、「それは3つあります。1つは~、2つ目は~、3つ目は~」と言える人はちゃんと整理できる人。

もう一つはアナリティクスに話せるかどうか。業績は伸びているのかと聞かれて、「結構伸びています」「めちゃくちゃ伸びています」といった言い方ではなく、「前値比103%で、過去5年間で遡っても年率4%の勢いで伸びていますよ」と定量的に話せる人というのは、数字がちゃんと頭に入っているな、要点を押さえられているなと思います。

Q.ブレットポイントの思考を持って話せる人の顕著な傾向はありますか?

A.聞いたことに対してまず答え、まず答えたうえでその理由を話せる人ですね。「I think~,because~」と答えられる人は、どう思っているかを普段から考えている人なので、当然自分の答えに自信がある。自信があるとダラダラ喋らなくても答えが簡潔になり、非常にロジカルな人だなと受け取ります。

Q.面接の最後によくある逆質問で、どのような質問をされるといいなと思いますか?

A.まず、HPを私はすごく読み解いてきましたアピールは単なる時間の無駄なのでやめた方がいいですね。誰だって見てきていますから。HPに載ってないことへの想像力を私は試したいですね。イメージ力・洞察力があるのかを見ているのですが、例えば外資系の会社で、HPには「日本の会社」としか載っていない中で、「日本の会社というのは御社のグローバルオペレーションの中でどういう位置づけなのですか?なぜかというと私は、日本は中国やインドなどに比べてプライオリティが低く、本国からのインベストメントもプライオリティが低いのではないかと疑念しています。」というところまで言うと、想像力・洞察力もあって簡潔に話せる人なのだなと、いい印象を持ちます。わからない部分について、今までいた会社と次行く会社とをつなぎ合わせて考えられるのは、想像力・洞察力があってこそですからね。

Q.面接時にぜひ採用したいと思った人に向けてする質問などはありますか?

A.「いつから来られるか」ですね。時間はやはり一番気になります。新しい人は即戦力といっても本当の意味で活躍するには半年から1年はかかるものなので、できるだけ早く入ってほしいので。なかには、辞める腹決めもできていなかったり、試しに受けてみたという人もいたりして、そうなると時間の無駄になってしまいますよね。

Q.こんな海外経験者は採用したくないという例があれば教えてください。

A.やはり、自ら志願しない人・セルフスターターじゃない人、自分を持っていない人、責任感の無い人、知恵出しのできない人、ですね。

そういった人は、例えば日本企業が海外経験者を採用する場合、いずれは海外赴任も視野に入れていると思うのですが、自分から志願せず行かされたとなるとパフォーマンスは上がらないですし、責任感の無い人や自分のない人に会社の看板を背負って現場の責任者をさせるのも会社としてはとても不安です。現地の人からしたら公私関係なく「あの人があの会社の○○さん」と見られますから。

なのでそういった要素はものすごく気を遣って見ています。

人事にインタビュー

Q.海外経験を持つ中途採用応募者によくする質問があるとのことですが?

A.まず、「うちに入ったら3か月間で何をしますか?」といった質問です。セルフスターターかどうかというところですね。「3か月間勉強させてもらいます」や「会社の現状を把握します」という人だったら、それは誰でもやるわけですよ。

例えば私なら、何をするか具体的な業務内容は分からないと思いますから、「3か月間で短期的に解決できる問題と、中長期的に時間がかかる問題、2つの問題を分けて羅列して、短期的に解決できる問題を解決していきます」といったことを答えますね。そういう人は入ったその日から自分は何をしなくちゃいけないのかを真剣に考える人なんだなと思います。そして受け身じゃない。

もう一つは、「3か月間で自分自身のKPIを設定するとしたら何を設定しますか」という質問。外資系だったら間違いなく聞かれると思います。「2分間であなたがこの会社に貢献できることを言ってください」や、白紙の紙を渡されて「自分の思うことを書きなさい」など、それらは常に問題意識を持っている人でないと書けませんから。

Q.最後に、中途採用した海外経験者たちと一緒に働いていて特に印象に残っていることがあれば教えてください。

A.海外経験者の、特に帰国子女となると、価値観が違いますよね。その価値観が違う人たちが同じ評価テーブルで評価を受けるわけですが、日本の人事考課によくある協調性というポイントは、帰国子女にはたまったものじゃないですよね。私なんて協調性なんて一つもなかったですし。でも帰国子女が日本の会社に勤めるというのは、その協調性というところがより多くのウェイトを占めるということを分かった方がいいなと、よく思います。