外資系保険会社への転職を考えたときに知っておきたいこと
外形系保険会社への転職について考えてみましょう。
外資系保険会社の営業職といえば、高い報酬を得られることで、羨望の眼差しを向けられるような仕事といえます。
外資系とは、端的に説明すると外国の資本で経営されている、もしくは外国人によって経営されている会社を指しますが、外資系の主な保険会社としては、ジブラルタル生命、プルデンシャル生命、メットライフ生命といったような会社が有名です。
これらの外資系保険会社は、CMなどメディアへの露出も多く、ネット販売がメインのイメージがありますが、実際には、外回りをして契約を獲得するパターンもあります。
このように、社会的な知名度も高く、報酬も高いことで、人気のある外資系保険会社ですが、現実には、高い報酬を得ているのは限られた人だけで、転職後に大きなギャップを感じて離職していく人も少なくありません。また、その厳しさから求人の中には「未経験歓迎」というフレーズも目立ちます。
外資系の保険会社は今、営業職を中心に人材が不足していますので、未経験の人を積極的に募集したり、ヘッドハンティングも行ったりしながら、各社間で人材の奪い合いが繰り広げられています。
このように転職・就職のチャンスが大きい外資系保険会社ですが、安易に転職を決めるのはとても危険です。
ここでは、外資系保険会社へ転職を目指したい人に対して、業界の転職事情や年収のこと、また、この業界に向いている人材像などをご紹介していきますので、さまざまなことを想定した上で転職に踏み切って欲しいと思います。
外資系保険会社の転職事情とは?
今の時代は有効求人倍率も高く、ましてや外資系保険会社の営業職は不足していますので転職できる可能性は高いといえます。
ただ、人員が不足しているのは、売り手市場が理由ではなく、外資系保険会社での定着率の低さ、つまり離職率の高さも原因となっています。
離職率が高い理由の一つとしては、やはり厳しいノルマが挙げられます。
ノルマ達成のため、ときには自身の家族や友人などに保険を勧誘するような精神的に辛い仕事もせざるを得ないときがあります。実際に何年も連絡がなかった友人から、急に連絡があったと思ったら保険の勧誘だったというケースもしばしば見受けられます。
それぐらいしないと達成できないノルマがあることも認識しておきましょう。
また、保険は既存のお客様が定期的に加入してくれるものではなく、常に新しい顧客を探し続けなければならない点も人材が定着しない理由の一つといえます。
これらの理由から、外資系保険会社に転職した人の、実に7割は、2年以内に離職するという厳しい現状があります。
この数値を高いと感じるか、それとも普通に感じるかで、自身の外資系保険会社への入社意欲を推し量ってみてください。
自信を持って転職したとしても、外資系保険会社は完全なる実力の世界です。この業界はヘッドハンティングも盛んですが、声を掛けられたからといって必ずしも成功できるわけではありませんので、舞い上がることなく、現実を踏まえた上で転職を検討するようにしてください。
外資系保険会社への転職はヘッドハンティングが主流
良い部分と厳しい部分が共存する外資系保険業界ですが、実際に転職しようとした場合、どのような方法でアプローチすれば良いのでしょうか?
基本的には、求人サイトや人材紹介会社を通じての応募となりますが、外資系生命保険業界では、ヘッドハンティングによる人材確保が日常的に行われています。
ヘッドハンティングの方法はさまざまで、電話で勧誘されることもあれば、極端な話、飲み会の席で勧誘されることもあります。
ヘッドハンティングというと優秀な人材を確保するための手段のように思えますが、ヘッドハンターと呼ばれる人も人材を確保するのに躍起になっていますので、報酬面や仕事内容のすり合わせが十分に行われないことも珍しくありません。また、入社した途端に激務になることもあり、長く続かない人が少なくないのも現状です。
外資系生命保険業界からヘッドハンティングされた場合に、基本的に押さえておいて欲しいのが、報酬面の仕組みです。多くの会社では、数ヶ月は固定給が出ますが、その後は完全歩合制になり、成果が出なければ食べていけなくなることはしっかりと認識しておいてほしいと思います。
また、外資系は日系企業と異なり、完全な実力主義ですので、能力が伴わなければ、ヘッドハンティングされたとしても、リストラの対象となることがあります。
したがって、ヘッドハンティングがあったとしても、待遇や条件だけを聞いて容易に転職を判断するのは危険といえます。
外資系保険会社の年収とは?
外資系生命保険会社の報酬が高いということは多くの人が知っているかもしれません。
実際にどの程度の年収であるのかを調べてみましたので、ご紹介していきたいと思います。
まず、外資系生命保険会社はほとんどが完全歩合制ですので、平均収入という数字があまり意味を成しません。年収5000万とか1億というような噂も耳にしますが、これはあくまで歩合制での収入であり、成果を出すことができなければ、極端な話、収入が0になるケースもあります。
また、外資系生命保険会社の営業職の収入は契約した顧客が支払う保険料の約30%といわれています。
しかし、この分の収入は4年を経過するとなくなりますので、契約を取り続けないと収入は増えないばかりか成果が出なければ、こちらも最終的には0になってしまいます。
年収5000万とか1億というような収入を実現できる可能性はありますが、これはあくまで結果を出せた人だけです。完全歩合制とは、日系企業のように成果が出せなくても、基本給がもらえる環境ではないことだと、しっかりと頭に入れておきましょう。
実際は成果を出せず、完全歩合制の壁にぶち当たり、厳しさを実感して離職してしまう人が多いことを踏まえた上で、転職するかどうかを検討するようにしてください。
外資系保険会社に向いている人とは?
ここまで外資系保険会社への転職について考えてきました。
外資系保険会社は、成果を出すことができれば高い報酬に期待できますが、その反面、労働環境は非常に厳しいということはお分かりいただけたかと思います。
そんな外資系保険業界において第一線で活躍できるような人の条件は、自身の成果に対して、相応の対価を強く求めることができることです。再三お伝えしているとおり、外資系保険会社はの給与体系は完全歩合制であるため、成果を出した分だけ報酬を得ることができます。この仕組みに自身の性格が合っている人や営業スキルに自信がある人は目指してみる価値があるといえます。
この仕組みを十分理解していなければ、報酬を全く受け取れないという最悪の事態に愕然として、途中でリタイアすることになりかねませんので、自分に適した仕組みであるかどうか十分精査した上でチャレンジするようにしましょう。
それから、常に結果を出し続けなければなりませんので、顧客獲得のためのサイクルを上手に回すことができる人、自分にプレッシャーを与え続けることができる人も適しているといえます。
以上が外資系保険会社に適している人だといえますが、万が一、挑戦して失敗に終わったとしても、ここで磨いた営業スキルは、他でも十分通用します。実際に営業のノウハウを学ぶために外資系保険会社に入社する人もいるくらいですので、決断したからには迷わずに行動してみてください。
最後になりますが、高い報酬という部分に惹かれて、安易な気持ちで転職すると後悔することになります。
自身のスキルやキャリア以外にも、熱意ややる気、相当な覚悟があるのかもセルフチェックした上で行動するようにしてください。