アメリカで海外就職後、日本で転職!現地で感じた日本との働き方の違い(西川由香里さんのストーリー)
西川由香里さん
高校を卒業してすぐにアメリカに渡った。現地の大学、カリフォルニア州立大学サクラメント校での専攻はコンピューターサイエンス。卒業後はアメリカの企業でファームエンジニアとして開発部に所属しエンジニアとしてのキャリアを始めた。プライベートで転機が訪れ日本に帰国し、外資系の企業に転職。再び転職を重ねた後、現在はシングルマザーとして子育てと両立させながら、プログラミングスキルと英語力を活かし日系企業で働いている。
留学経験者専門の転職エージェント『Beyond Border』の転職経験者インタビュー。
今回インタビューにご協力してくださったのは、楽天株式会社にてプログラミングを行う開発チームの一人として勤務されている西川由香里さん(以下、西川さん)です。
西川さんは大学生活をアメリカで過ごし、卒業後は大学で専攻していたコンピューターサイエンスの知識を活かすことができるプログラマーとしてアメリカの企業で勤めていらっしゃいました。
- プライベートとの両立
- アメリカとの働き方の違い
で戸惑いを感じる事もあったそうです。
BeyondBorderの読者の中には、
「海外の働き方ってどんな感じなんだろう?」
「結婚や出産といったライフステージに関わる問題は、どのように転職に影響するのだろう?」
など、疑問に感じることもあるのではないでしょうか?
そんな方にお届けしたいのが今回の西川さんのストーリーです。
西川さんの経験から、
- アメリカの社会で学んだこと
- プライベートと両立するための転職活動
- 日本で転職してみて感じたアメリカとの違い
についてご紹介します!
新卒キャリアはアメリカでスタート!
Q.西川さん本日は宜しくお願い致します。
宜しくお願いします!
Q.西川さんは現在日本で勤務されていますが、アメリカの大学に通われていたんですよね?
はい。高校を卒業してすぐにアメリカに渡り、語学学校を経て大学に進学しました。大学での専攻はコンピューターサイエンスです。
卒業後はそのままカリフォルニアにて、ファームエンジニアとして2年半ほど勤務しました。
新卒のうちに第一子を出産してそのまま1年ほど同じ会社で働いていたのですが、旦那さんが「日本で働きたい」という思いを持っていたんです。
そのため、私も一緒に日本に帰国して転職をすることにしました。
その後、外資系IT企業でのサポートとしての勤務を経て、現在は自分の希望であった開発部門で働いています。
自分の主張ははっきりと!意見を言わなくては置いて行かれる社会
Q.アメリカでどんなことを学びましたか?
英語力やIT系のスキルだけでなく、スキルを手に入れるまでの経験で学んだことも多かったと思います。
例えば、「はっきりと自分の意見を言う」ということは、アメリカに渡ってきてから学びました。
Q.西川さんの経験から「自分の意見を言う」というと、どんな場面を思い出しますか?
日本人って何かに返事をするとき「maybe」を使ってしまいがちですよね。私も最初はそうで、ホームステイ先のホストマザーから
「yesかnoかどっちかにしなさい。ちゃんと言わないと伝わらないから。」
と教えてもらったことが、自分の意見を言うことができるようになるきっかけになりました。
また、大学1年生のときに図書館の司書のバイトを申し込んだことがあったのですが、当時は英語力も無かったため、
「君の英語力では無理だ」
と言われてしまったことがあったんです。
でも、そこで引き下がらずにほかにできる仕事はないかと交渉して、本を棚に戻したりする仕事をこれならできるかも…と頂くことができました。
こういった経験も就職先ではっきりと自分の思ったことを述べることにつながったのだと思います。
Q.自分の意見を相手に伝えることができることは、職場でも大事なスキルですよね。
はい。
会議でも正直な意見を出し合うのは当たり前だったため、開発側とマーケティング側で言い合いになったりすることも多々見ました。
「そんなことできるか!」
といった具合で、喧嘩腰になった場面もよくありまして…(笑)。
喧嘩腰のように見えても本音を話し合っているということの現れだったので、最後は間をとって和解するんですけどね。
私自身も上司と仕事のやり方などで違いが出ると
「こっちの方が良いと思う」
と、はっきりと自分の意見を述べて提案をしました。
Q.なるほど。在学中にインターンシップを経験したとのことでしたが、インターン先が最初の就職先につながったのですか?
いえ。私は、大学と提携している企業の業務に参加することで、学んだことを実務に応用することができる『Co-op』と呼ばれるインターンシップの制度を利用しました。
大学が主体となったプログラムであったため、新卒で入社した会社は別のところです。
新卒の就職活動では競争が激しいエンジニアの世界であることや留学生はビザ所得のために厳しいかなと感じていたのですが、インターンシップの経験や大学で学んだことを買ってもらい運よく就職することができたんです。
アメリカでは新卒面接から技術面が重視された
Q.アメリカの新卒採用における面接ではどんなことを聞かれましたか?
中途採用と同じような『技術的なこと』を聞かれることが多いと思います。
「このプログラムでどこがおかしいか指摘してください。」
「こういうものを作りたかったら、どうやってコードを書きますか?」
と聞かれまして、面接中にコードを書いたりすることもありました。
さらに、インターンや大学で学んだことを中心的に
- 自分は何ができるか
- 会社にどのように貢献することができるのか
などを聞かれます。
アメリカでは大学で学んだことが全てなので、そういった内容の質問が多いみたいです。
Q.実力主義なんですね。
はい。また自分から
「自分はこれだけのことができるから、これくらいの給料をもらってもいいはずだ!」
と新卒のころから給料交渉もしました。
Q.給料交渉も新卒のころから行うんですね!どういったタイミングで交渉をするのですか?
大体5人くらいと面接をしたのですが、最初の1~3人の面接官では技術を、4人目はマネージャーとランチしながらコミュニケーションのスキルを、最後が人事と働き方について面接しました。
「どれだけの給料を見込んでいるのか?」
「どうして自分はその給料に見合うと思うのか?」
といった話は最後の人事との面接で行います。
また、こういった面接を1日で完了させるのもアメリカならではの特徴だと思います。
→キャリアダウンを懸念。プライベートとの両立を見込んだ転職とは?