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とどまらない好奇心でチャレンジし続けてきたキャリア。5回の転職に成功してきた秘訣は留学生活で学び得た2つのこと(松村さんのストーリー)

更新日:2021.11.20

松村基樹さん

松村基樹

高校卒業後にアメリカの大学に留学。帰国後は東京の金融系ベンチャー企業に新卒入社。3年の勤務を経て、地元・宮崎のプロバスケットボールチームの立ち上げに広報営業として携わる。その後、同地の鶏卵加工品会社の社長室長としてジョインし、価格改定や品質管理を行う。3回目の転職は東京へ戻り、デザートバイキングチェーンの企業へ。経験を活かし、食品衛生に従事するが、世界の経済動向を考えた末、マレーシアの大手飲料メーカーへの転職を果たす。

留学経験者専門の転職エージェント『Beyond Border』の転職経験者インタビュー。

 

今回インタビューにご協力してくださったのは、留学経験を活かして、自身の興味の赴くまま5回の転職に成功している松村さん(以下、松村さん)です。

 

松村さんはアメリカへの留学後、自身の「好奇心」と「冒険心」に素直にそのキャリアを積んで来られました。

転職活動はいつもトントン拍子だったそうですが、お話を伺っていると、その秘訣は留学生活で得た「コミュニケーション力」と「行動力」にあるようです。

では、それら二つをどのように転職活動やキャリアに活かして来られたのでしょうか。

 

BeyondBorderの読者の中には、

 

「せっかく積んだ海外経験をどう活かしていったらいいかわからない」

 

と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

 

そんな方にお届けしたいのが今回の松村さんのストーリーです。松村さんの経験から、

 

・アメリカの留学生活で学んだこと

・海外経験を活かしたキャリアの築き方

・書類・面接での対応策

 

についてご紹介します!

新たな未来を求めて、文化の違う海外へ

Q.松村さん本日は宜しくお願い致します。

宜しくお願いします!

 

Q.まず、高校を卒業されてからすぐに留学されたきっかけは何だったのでしょうか?

もともと海外の映画や音楽にずっと興味を持っていて、特にアメリカのものが好きだったんです。でも、高校3年生のとき、英語の偏差値が42くらいしかなくて。そんなときに海外留学を斡旋する機関から話を聞いて、留学を意識するようになったものの、最初はちょっと迷っていたんですね。

上に3人の兄弟がいるのですが、留学したいと思っていると相談したら、「私たちは行きたかったけど行けなかった。あなたはせっかくの機会があるのだから行ってみたら?」と応援してくれて、それで決心がつきました。

 

Q.英語が得意だから留学する、という人は多いですが、松村さんの場合はその逆なんですね。

昔からちょっと変わっていると言われています。現地へ行けば英語を話せるようになると聞いて、留学したら自分も話せるようになるという自信が不思議とあったんですよね。

それに、このまま日本の大学を卒業して、そのまま就職をして、というよりも、やはり文化の違う海外に行くことで新たな結果が生まれると思って、一度経験したかったんです。

 

Q.海外留学するには試験などあったと思いますが、どうやってレベルアップを図ったのですか?

まずは単語が分からないとだめだと、ひたすら単語を覚えました。

あとは、学校のALTの先生にも協力していただいて、授業が終わったあとにマンツーマンで会話の練習などをさせてもらっていましたね。

そして高校卒業後の5月に渡米して、語学学校に3か月ほど通ってようやくTOEFL560点を獲得し、大学に入学しました。

 

Q.努力が実を結んだんですね。進学先の選定はどのようにされたのですか?

学費面やロケーションを基準にしました。自分の性格上、都会だと遊んでしまうので、勉強に集中できるよう、ネプラスカという聞いたことがないような、アメリカのど真ん中の田舎町を選びました。

日本人一人の環境で身に付けた、コミュニケーション力と行動力

Q.留学先で学んだことで、社会人になってから役に立っていることはありますか?

人間関係の築き方やコミュニケーションの取り方は今も役に立っていると思います。

子どもの発育学という専攻柄、男性も外国人も僕一人だけだったんです。そういう狭いコミュニティの中で浮いてしまわないために、とにかく周りに積極的に話しかけましたし、目立つのでよく話しかけられたりもしたので、ちょっとやそっとでは物怖じしなくなりました。

 

また、授業の随所で外国人・アジア人ということがハンディキャップになってしまう環境だったので、どうにか工夫をして評価してもらおうと、常に意識していましたね。

そういう工夫をするという点で言えば、例えば食品関係の前職で仕入れ価格の改定に成功したときは、価格内訳に着目して発想の転換ができたり、自ら着手できたといったことは、留学経験が活かせたんだろうなと思います。

 

【見出し】東南アジアでバブル経済を体感したい!4回目の転職で再び海外へ

Q.今まで合計で何回転職されていますか?

新卒で金融系のベンチャー企業に入社してから4回転職して、次で5社目になります。

 

Q.新卒のときに金融系のベンチャー企業に決められた理由は何だったのでしょうか?

ビジネスモデルが独特なところが面白いなと、その企業気質に惹かれて決めたと思います。

その企業では3年働きましたね。

 

Q.その後の経歴を教えてください。

2社目はプロバスケットボールチームで広報営業をしました。地元に初めてプロバスケットボールチームができると聞いて、昔からバスケをしていたということもあって、その立ち上げに携わりたいと。ちょうど転職を考えていたタイミングでもあったので、東京から地元の宮崎に戻りました。BJリーグのときで、Bリーグになるときにそのチームは無くなってしまいましたが。

 

3社目への転職は、バスケットボールチームの社長と喧嘩したときに、チームの株主だった会社の社長に誘ってもらって入ったという経緯です。

宮崎の鶏卵加工品を扱うB to Bの会社で、社長室長という形で入社しましたが、食品衛生などにも関わりました。

 

Q.4社目への転職のときは何社か受けられたのですか?

そうですね、何社か受けて、4社の内定をもらった中から今の会社に決めました。

業種は全然絞らずに、立地と食品衛生の経験を活かせるところを基準に考えて、最終的には会社のブランドが決め手になりましたね。

 

Q.宮崎からアメリカへ渡って、東京で就職してから宮崎に戻って、再び東京に来て、今度はマレーシアに行くという、面白いキャリアですね。今回の5回目の転職はどうしてされようと思われたのですか?

東京の朝の通勤ラッシュで、みんな顔が死んでるなとふと思ったんですよね。働き過ぎて亡くなった方のニュースなどもありましたよね。日本は生産性も弱いし、今後少子化もあるし、直下型地震のリスクもあったりと、今は良くても先行きの不透明さに不安になったんです。外の世界を見てみると、アメリカも開発はちょっと期待できないし、中国もそろそろベトナムあたりに抜かれたり人材流出も進むだろうと。そんな中で、東南アジアでなら今後、かつての日本のバブル期みたいなものが期待できるのではないかと、そういうところに身を置いて、経済発展を体感したいと強く思うようになったんです。

エージェントを介した海外転職は運命的な出会いで即決

Q.初の海外転職はどのような活動をされたのですか?

まず、レジュメを書くにあたって、英語版の書き方が全くわからなかったので、GJJという海外転職を手伝ってくれるエージェントに登録しました。するとJACという海外転職斡旋エージェントを紹介され、そこからすぐに、今回決めた会社を紹介してもらって、一週間後には面接、トントン拍子に決まった、という感じです。

GJJさんにはその後も継続してフォローしてもらって、同じように海外に行った人たちを紹介してもらってコミュニティーを作ったり、色々と力になってもらっています。

 

Q.心強いですね。英語版のレジュメを作る上で、サポートを受けられてもなお苦労をされたことはありますか?

基本的なことですが、今までの仕事の掘り起こしには苦労しました。10年分ですが、いつ・何をした、ということを本当に忘れてしまって。一つ一つをエージェントさんと一緒になって「これもしたし、これもした」と挙げていって、全部で4ページにも及んだものの中から更に抽出をしていく、という作業が一番難しかったです。

 

Q.自分だけで作成するのと、エージェントさんに手伝っていただいたのとはどんな違いがありましたか?

一人だとなかなか骨が折れる作業ですし、やはり自分だけでは気づかなかったところを指摘していただけたのはよかったですね。

日本の職務経歴書と英語版のレジュメとは形式も違いましたし。

 

Q.対策として、面接練習はしましたか?

全然しませんでした。面接は得意なんです。質問に対して、普通にその場で答えられる対応力はあると思います。

あとよく言われるのは、「笑顔が良いね」と(笑)

 

Q.たしかに笑顔が素敵です(笑)。結果的に1社しか受けずに決められたのですか?

はい、すごく運命的なものを感じたので。というのも、海外には経理や営業の求人はたくさんあっても、食品の品質管理の求人はなかなか無いのが現状なのですが、紹介してもらった会社では類似した仕事ができるということが大きかったんです。

 

品質管理にこだわったもう一つの理由としては、ビザ取得にもあって。ビザを発行してもらうときに、「日本でのこういうビジネス経験を活かすため」という海外就労する理由付けを入国管理局に提出する必要があるんですよ。その審査が通らないとビザが取れないんです。

あとは待遇面もよかったですし、直感で、もうここが合うなと思いました。

 

Q.海外への転職について、ご家族からは何か言われませんでしたか?

決めるときに親に相談したら、親も知っている企業だったので安心だと言われました。海外に行くとなると、その企業を知っているかどうかで印象はだいぶ違うみたいです。

 

転職に駆り立てるものは安定に勝る好奇心と冒険心

 

Q.今回の転職で行かれるマレーシアは、生活面では日本と比べてどのような感じなのでしょうか?

物価は日本の約3分の1です。イスラム教なのでお酒や車は高いようですが、お昼などの日常的な食事は100円あれば十分みたいです。

現地の世帯収入は大体3,000リンギトなんですが、外国人には5,000リンギト以上の給料を払う決まりがマレーシアにはあるので、現地の人の倍くらい貰えることになります。

給料の額面は今までより少し減りますが、諸々の物価などを考えたら、日本で生活するより全然余裕です。

 

Q.年齢を重ねれば重ねるほど、環境を変えることに億劫になるものですが、それでも海外転職へ自分を奮い立たせたものって何でしょうか?

好奇心や冒険心の方が安定を求めるよりも勝ってしまった、ということですかね。日本にも色々と楽しいことはありますが、ずっと普遍的な環境にいると物足りなさを感じてしまって、今までしてきた転職もそこからきているんでしょうね。

決して飽きっぽいわけではないんです。ずっと継続してやっているものもありますから。

 

Q.それでは最後に、転職を考えている海外経験のある読者にメッセージをお願いします。

留学など、海外経験で企業から一番重要視されるのは「コミュニケーション力」と「行動力」です。

例えば、面接でコミュニケーション力をアピールしたいとしたら、先々のことを考えながら答えていくようにしたり、あらゆることに対応できるように、引き出しをたくさん持っていくといいと思います。

行動力は、新しいこともチャレンジして吸収していける、ということを、転職先の仕事内容とうまくマッチするように話せるといいですね。

今まで目を着けられていなかったところを自ら行動して着手して経費削減に繋げたり、未経験の食品業界に入って約3か月で関連資格を猛勉強の末取得したり、私の例が少しでも参考になればと思います。