自分の可能性を諦めないで!これからのキャリアのためにできること(Markさんのストーリー)
Markさん
アメリカ人の父と日本人の母を持つハーフ。小学校低学年までアメリカで過ごした後、帰国。その後アメリカの高校と大学に進学し、日本での就職を見据えて日本の大学に編入する。卒業後は国内医療機器メーカーに就職し、その後転職。現在は外資系企業のファイナンス組織でコンサルティングを含む会計業務を担当している。
留学経験者専門の転職エージェント『Beyond Border』の転職経験者インタビュー。
今回インタビューにご協力してくださったのは、アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんを持つMarkさん。バスケットに夢中だった学生時代を経て、アメリカと日本を行き来した後、新卒で日本の企業に就職。
医療機器メーカーでのやりがいある仕事に満足はしながらも、
【結果を出しても評価されない年功序列の日系企業の社風】
に先行きの不安を感じたMarkさん。
自分の理想に妥協しない職場環境を求めて転職を決意します。
BeyondBorderの読者の皆さんの中にも、
- 昇進が年功序列で決まることにもどかしさを感じる
- 仕事の成果と給与が比例して評価されていない
- 現会社ではキャリアを築いていけないように感じる
そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか?
今日の記事ではMarkさんの転職経験談に焦点を当てながら、
- 転職を成功させるために必要なマインド
- キャリア構築を成長させるコツ
についてご紹介していきたいと思います。
目次
自分の「やりたいこと・気持ち」に素直に
Markさん本日はよろしくお願いいたします!
よろしくお願いします。
- 幼少期から日本とアメリカを行き来していたそうですが、それはご両親の仕事の関係ですか?
そうですね、父の仕事の関係です。アメリカの高校に進学することや日本の大学に編入して日本で就職することは自分で決めました。
Q.なるほど、何か理由はあったんですか?
まずアメリカの高校に進学した理由は、バスケットボールが目的でした。当時はアメリカでバスケットボールプレーヤーとして挑戦したいという気持ちが強かったからです、
日本の大学への編入は、日本での就職を意識して決めました。
Q.自分のやりたい事や将来を意識して行き先を決めることは転職にも通じる気がします。Markさんが最初に就職した日系企業について詳しく教えていただけますか?
新卒で国内医療機器メーカーに就職しました。少子高齢化が進む日本で今後も伸びる可能性がある業界は「医療」と考えていたからです。
Q.鋭い推測ですね。医療機器メーカーの中でもその企業を選んだ理由は何でしたか?
まずは企業の規模です。従業員が1,500名程度の企業だったので全体を把握するにはちょうどいい大きさだと思いました。規模の小さい中小企業であっても、グローバルの舞台で大手競合に挑戦できる点にも魅力を感じました。
自分の趣味であるバスケットボール部があったことも理由の1つです。
Q.入社後はどのような業務に就いたんですか?
国際営業部に所属しながら、アジア地域の機器の営業およびプロモーションや現地代理店のマネジメント、担当地域のマーケット情報の収集などの業務を担当しました。
Q.入社前と比べて業務や環境にギャップを感じることはありましたか?
複数の国の担当を任されていてやりがいを感じていましたが、4年経って業務に慣れた時点でもっと厳しい環境で挑戦したいと思うようになりました。
日系企業の年功序列の社風にも疑問を感じていましたね。
業務が一緒にもかかわらず、給与は年功序列。自分がいくら成果を出しても、昇給や昇格、キャリアアップは難しいと思いました。そして、そんな環境に長くいることで仕事に対する好奇心も薄れていきました。
2ページ目
→ 新卒入社の企業で将来に不安を感じたMarkさん。自分の能力や努力が正当に認められる職場を目指します。
プロの力を借りることが近道に
Q.年功序列の中ではキャリアアップできる機会も当然少ないですよね。それで転職を決意したんですか?
そうです。やっぱり頑張った分だけキャリアアップをしていけるような企業で働きたいと強く思いました。
Q.転職前に準備したことを教えてください。
効率的に転職活動を進めるために人材派遣エージェントに登録しました。
Q.効率的に、というと?
求人には自分1人では網羅できないほど多くの情報が掲載されています。自分で全部探して応募していたら非常に手間と時間がかかります。しかも転職エージェントでしか応募できない非公開の求人もあるので、それなら専門のエージェントに頼んで自分に合いそうな求人を紹介してもらおうと決めました。
転職エージェントの利用は短期間で理想的な企業に出会うためのおすすめの方法だと思います。
Q.具体的に転職エージェントに助けられたと思うことは何がありますか?
特に助かったのは給与など面接では聞きにくい部分を転職エージェントが間に入ってサポートしてくれたことですね。転職エージェント経由で待遇や条件の交渉ができたので安心して転職活動ができました。
良い会社に出会うためには「理想と条件」を明確に
Q.ご自身の中で転職先に求める譲れない条件は何かありましたか?
前職での経験を踏まえて、以下の3点を軸に転職先を絞っていきました。
- 前職よりも給与が高いこと
- 将来のプロモーションの早さ
- 成果が評価対象となる社内制度
です。
Q.具体的にもう少し教えていただけますか?
1点目の給与は、基本給だけでなく、各種手当、福利厚生等を網羅的に考慮した年収ベースで前職を上回ることを条件と決めていました。
2点目のプロモーションの早さは、毎年の昇給率や昇格の早さを意味します。
3点目は、年功序列による資金体系ではなく、成果による評価がメインであるということに重点を置きました。
Q.どれも重要な項目ですね。多くの人が転職したい気持ちはある一方で転職に不安や抵抗を感じています。新卒から4年目での転職に懸念はありませんでしたか?
もちろん不安はありました。転職はしたことがなかったし、前職に大きな不満もそこまでなかったので「転職」という選択が正しいか常に迷っていました。
それでも、自分の中での転職の目的やゴールを明確にしながら、なるべく「客観的に自分の転職活動を見る」ように意識して取り組んだことで落ち着いて行動ができたと思います。
3ページ目
→ ついに理想の会社とめぐり会えたMarkさん。転職で見つけた「あるべき働き方」の姿とは…
転職は自分の可能性を広げる最高の選択肢
Q.転職先である現企業について教えていただけますか?
現企業には経営カウンセラー職として入社しました。その後、現職のファイナンス組織に異動して現在に至ります。外資系の企業です。
Q.1社目は医療業界の営業でしたよね。なぜコンサルを選んだんですか?
キャリアアップに関する強い要望は持っていたものの、前職と同じ業界以外という点のほかに特定の職種や就職先の希望はなかったので、人材派遣カウンセラーからさまざまな業界が経験できるコンサル職を紹介してもらいました。
Q.現企業での業務について引き続き教えていただけますか?
入社直後はカスタマーの経営課題に対する支援を業務として行っていました。その後はカスタマーに対して新規案件提案のためのプライシング支援やコスト削減案の提案や立案など、コンサルティングを含めた会計業務全般を担当しています。
Q.コンサルと会計を組み合わせたような高度な業務ですね。
ずばり、ご自身の転職は成功したと思いますか?
重要視していた項目は全てクリアできたので成功したといえると思います。
給与
→ 前職の給与から100万円以上アップしました。
プロモーション
→ 前企業では最低でも40歳以上が管理職に就けることが慣習としてありましたが、現企業では30代前半から管理職になることが可能です。
評価
→ 現企業でも年齢はある程度考慮されますが、基本的には成果による評価がメインです。
Q.素晴らしいですね。現在の企業や業務には大満足ということでしょうか?
そうですね。
長時間労働も以前より少なくなりましたし、自分自身も集中力を高めて効率よく業務をこなせるようになりました。フレックスタイム制度や在宅勤務制度も認められています。
現職のファイナンス系の仕事もとても自分に合っていると思っています。基本的に自由な環境で仕事ができるし、数学自体がもともと好きなので自分にとって楽しいことや好きなことをやっていた方がスキルの成長も早いと感じています。
会計業務を通してカスタマーの売上に直接貢献できていることにもやりがいを感じます。外資系企業なので社内外で英語を使う機会が多く、高レベルの仕事が求められるチャレンジングな環境にも満足しています。
海外で育んだ強気の向上心を捨てないで
Q.転職を成功させる上で海外経験はどのように生きましたか?
まず目に見えて分かりやすいのは語学力ですよね。高い英語力が求められる業務や外資系企業とのコミュニケーションにとても役立ちました。
次にDiversity(多様性)を持っていること。若い時から海外でいろんな人種や考え方と接する機会があったことで培うことができた異なる文化や立場に共感し対応できる能力は、自分の強みだと考えています。
そして最後に「向上心」ですね。
キャリアアップしたいという気持ちは人それぞれだと思います。あまりない人もいますよね。私は実力主義のアメリカで過ごす中で勝ち上がっていく強い向上心と負けず嫌いの性格が育まれたのだと思います。
Q.キャリアを築く上で向上心は大切ですよね。現在でもその向上心は役立っていますか?
はい、現職では「主張すること」がとても重要です。外資系なので役職に関係なく意見を言うことができます。最終的な評価も成果がベースとなっているので、「主張すること=自分の評価」につながります。
例えば、私が携わっている新規案件のプライシングの業務では、自分が主体となってリードしながらプライシングアプローチをするなど、能動的に関わることで高い評価が得られます。
つまり「相手を恐れずに正しいと思ったことは主張する考え方」が自分のプロモーションにつながっていきます。
Q.外資系企業だと否定されることも多いと思います。日系企業よりもメンタルの強さが求められる外資系企業ですが、それらはどうやって対処していますか?
もちろん主張が反対されることはあります。人によって考え方やアプローチが違うのは当たり前なので柔軟に考えるようにしています。
自分の持っている意見と異なる意見が出たとしても自分自身が否定されているわけではないですよね。さまざまな意見の中で最善の方法を冷静に導き出すことができればうまく対処できると思います。
これも海外生活で培ったDiversity(多様性)が生きています。
Q.最後に“今”転職を考えている海外経験者に何かアドバイスがあれば教えてください。
まずは「行動」してください。
動いてみないと分からないこともありますし、現在の環境が自分にとってベストかどうかも比較対象がなければ判断できません。一度行動に移してみて、転職するのかしないのかを判断すればいいと思います。
とにかく「挑戦する気持ち」を諦めずに大切にすること。
1人で全てをやり遂げようとするのではなく、海外経験者専門の転職エージェントやプロにも相談してみてください。きっと自分が想像していたよりもスムーズに転職が始められると思います。
Q.Markさんありがとうございました!
1人で悩まずに専門家に相談することで自分の可能性をもっと広く見据えられるかもしれません。心の中にうずく向上心をぜひ未来のキャリアを築く糧にしたいですね。