就職できないハーフ。なぜ、どうして?どうしたら打開できる
最近、毎日のようにハーフがメディアを賑わせています。
テニス界では、日本人とハイチ系アメリカ人のハーフである大坂なおみ、陸上界では、ケンブリッジ飛鳥やサニブラウン、芸能界では、滝沢カレンやローラなど、彼ら以外にも数えるとキリがありません。
華やかな舞台で光り輝く彼らの姿に、日本人がハーフに抱いていたイメージは、明らかに大きく変わってきているといえます。
その反面、ハーフだからといって必ずしも華やかな舞台に立てるわけではなく、ハーフは「格好いい」「美男美女でバイリンガル」のイメージが強調されてしまい、苦しい思いをしているハーフが多いのも事実です。
その代表的なものとして挙げられるのが就職活動です。
就職活動は、ハーフに限らず誰でも大変なものですが、ハーフの人はそれにプラスして苦労する側面が多いといえます。次からは、ハーフがなぜ就職活動で苦労するのか、また、どうすれば不快な思いをせずに、就職活動を進めることができるのかを解説していきたいと思います。
目次
ハーフの就職活動が難しいといわれている理由①(日本人のハーフに対する先入観が強い)
冒頭でも少し触れましたが、一部の日本人の間で、ハーフは美男美女で外国語ができるという強い先入観が残っています。
ただ、実際のハーフは、誰しも羨むバイリンガルの美男美女ばかりではありません。日本語しか話せないハーフのほうが、圧倒的に多いといえます。
しかしながら、就職活動においては、これらの先入観を持つ面接官がいるため、履歴書に日本の学校しか通っていないことが記述されていても
- 「日本語は理解できますか?」
- 「英語は話せますね?」
と心ない質問が投げかけられる場合があります。また、これで済むならまだしも、純粋な日本人には、英語が話せることをプラス評価し、逆に英語が話せないハーフにはマイナスの評価をするような偏見が強い面接官や、両親の国籍や出会いのきっかけといった本人に関係ない質問をする質の悪い面接官も存在します。
このように、ハーフに対する理解が低い面接官が多いことが、ハーフの就職活動を難しくしているといえます。
日本で生まれ育ってきたハーフの人は、物心ついた頃から、自分は日本人だと思ってきたはずです。それにも関わらず、これから社会に出ようとする人たちの入口となる面接において、無意識であっても差別的な扱いをすることは、決して許されることではありません。心当たりのある面接官は、ハーフの人が日本を自分の故郷だと感じられない思いをさせてしまっていることを猛省しなければなりません。
ハーフの就職活動が難しいといわれている理由②(日本社会の排他性)
日本は、約160年前まで鎖国政策をとって、異なった民族や文化との交流を遮断していました。
一方、欧米諸国は、早くから異なった民族や文化を積極的に受け入れてきましたので、外国人やハーフの人に対する偏見は、日本に比べて少ないといえます。
日本も、徐々に外国人やハーフの人に対する理解も深まり、異なった民族や文化を積極的に受け入れるようになってきたとはいえ、未だ欧米諸国のように異なった民族や文化が自然に調和する社会にはなり得ていません。
ハーフの人に対して、生まれや育ちが日本で、心も日本人であっても、外見が外国人のようであれば、日本人として認めないという考え方はまだまだ存在します。
このような考え方は、決して国際社会で通用するものではありません。日本が国際社会で真のリーダーとなるには、排他性のない国家へと成熟していく必要があるといえます。
ハーフが就職活動を少しでも有利に進めるには?
ここまで説明してきたように、日本人のハーフに対する先入観の強さや日本社会の排他性がハーフの就職活動を苦しいものにしています。
この状況を改善するには、偏見や差別のない社会にしていくことが先決ですが、このような考え方が払拭されるには、まだまだ、長い時間を要するといえます。
したがって、今、就職活動中のハーフの人が、不快な思いをせずに活動を進めていくには、逆にその偏見を利用してしまうことも一つの方法だといえます。
具体的には、面接の冒頭で「ハーフですが、生まれも育ちも日本であり、外国での生活経験はありません」という説明を加えてみたり、外見で勘違いされた面白いエピソードを自ら話してみたりすることです。
なぜ、純粋な日本人と同じように面接に臨めないのかと疑問に思うハーフの人もいるかもしれませんが、不快な思いをする可能性があるのであれば、先手を打つことで、面接官の先入観を払拭するだけでなく、印象に残る面接にして、採用を勝ち取れる可能性もあります。
面接の度に不快な思いをしているのであれば、一度、試してみてはいかがでしょうか?
そうはいっても、どのようなアピールをすればよいのかわからない方も多いことでしょう。その場合、転職エージェントの手を借りるのもひとつの方法です。
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ハーフの就職活動に関するまとめ
ここまでハーフの就職活動について考えてきました。
就職活動を難しくしているのは、一部の面接官が持つ強い先入観に負うところが大きく、決してハーフの人に何らかの問題があるのではありません。
残念ながら、人を外見で判断してしまう面接官は、まだまだ多いといえますが、面接官のハーフに対する理解が低くても、その企業全体の社員が同じ考えを持っているわけではありません。
むしろグローバル化が進む日本では、ハーフに対する先入観が強い人間は、徐々に少なくなっています。ハーフへの理解の低い面接官を少なくしていくには、本人が自覚するのを待つのではなく、周りの人間が指摘していくことやハーフの人自身が問題提起していくことが重要だといえます。
確かに、問題提起することで、その企業の選考は打ち切りになるかもしれませんが、あとに続く後輩のため、日本が成熟した国家へと変貌していくために、ハーフと純粋な日本人が手を取り合っていきましょう。